定期購読のご案内 ご注文について バックナンバー: 2004 and befor, 2005, 2006, 2007, 2008, 2009

最新号
<最新情報はブログもチェックしてみて下さい>

191号(2010年12月号)

特集 海底熱水鉱床−開発と保全の調和−

近年,国内外において海底熱水鉱床の資源開発が注目を集めている。熱水鉱床はわが国の排他的経済水域内の深海域に広く分布しており,将来にむけて有望な鉱物資源として期待されている。しかし,海底熱水鉱床の開発は世界的にも事業例がなく,海底に賦存する鉱石を環境に配慮しつつ採掘する技術はまだ確立されていない。その技術開発に関する調査・研究は始まったばかりである。本特集では,海底熱水鉱床における資源開発と環境保全の調和に焦点をあて,わが国の取り組みを中心に,現状や課題について紹介する。

白山 義久 「環境に配慮した海底熱水鉱床の開発」
豊原 哲彦・岡本 信行  「海底熱水鉱床の資源開発に伴う環境影響評価の取り組みの概要」
石田 洋・前田 亘宏・山崎 哲生・白山 義久 「海底熱水鉱床周辺の環境特性について−伊是名海穴を中心として」
三輪 哲也 「海底熱水鉱床周辺域に生息する熱水性生物・非熱水性生物の分布特性」
市川 哲也・中田 喜三郎 「海底熱水鉱床における環境影響予測・評価のための手法開発」
渡部 裕美・小島 茂明・藤倉 克則 「遺伝学的手法を用いた深海熱水噴出域生物群集の個体群動態の推定」
岡本 信行 「海底熱水鉱床開発の今後の展望について」

連載
横浜 康継「海藻という植物【20】海藻おしば」
布村 昇・下村 通誉「日本産等脚目甲殻類の分類【5】ヘラムシ亜目ヘラムシ科2−ワラジヘラムシ属(1)」
今井 一郎 有害有毒赤潮の生物学【12】赤潮の防除対策」

全国水産試験場長会 会長賞
高橋 禎「岩手県におけるエゾアワビの栽培漁業に関する研究」

コラム
魚影逍遥−魚に発信機をつけて クリスマスのタラ(三田村 啓理)
山から海へ−水と命の回廊をめぐる 非営利カヤック制作教室(洲澤 育範)
海でひろった万華鏡 エムレット氏は実在した(飯島 明子)

190号(2010年10月号)

特集 最新・ウミガメ学

ウミガメと聞いて,知らない人はまずいないだろう。昔話に登場するし,水族館では必ずといってよいほど見ることができる。日本人にはなじみのある動物だ。しかし,ウミガメの生態となると,どこまでご存じだろうか? 数千 km も回遊し,生まれた海域まで戻ってくることができる。なかには 1000 m 近くの水深まで潜ることができる種もいる。そして,ほぼ全種が絶滅を懸念される希少種でもある。本特集では,「最新・ウミガメ学」と題し,生物学,保全学の両観点から,主に日本におけるウミガメ研究の最前線を紹介する。

菅沼 弘行・田中 真一・井ノ口 栄美・鳴島 浩二「ストランディングからわかること」
畑瀬 英男「浅海か外洋か−ウミガメ類の回遊多型とその出現および維持機構」
西澤 秀明「遺伝からみる日本のウミガメ類の集団構造」
安田 十也「浜からわかるウミガメの繁殖生態」
奥山 隼一「仔ガメの放流会はいかにあるべきか?」
小林 真人・清水 智仁「ウミガメの増殖技術の開発−タイマイの資源回復を目指して」
南 浩史・横田 耕介「延縄による混獲防止策の開発」
阿部 寧・塩出 大輔「定置網によるウミガメ混獲防止策の開発」
渡邊 国広「ウミガメの産卵に配慮した海岸づくり」
石崎 明日香・キティ サイモンズ「米国におけるウミガメ保全管理の取り組み」−ハワイ延縄漁の事例

連載
グリゴーリー イヴァノヴィチ ガラジー・長縄 秀俊「バイカル湖学」入門【11】底生生物」
林 健一「日本産エビ類の分類と生態【172】エビジャコ上科・エビジャコ科−クロザコエビ属」
横浜 康継「海藻という植物【19】マリモの謎」
布村 昇・下村 通誉「日本産等脚目甲殻類の分類【5】ヘラムシ亜目ヘラムシ科1」
今井 一郎 有害有毒赤潮の生物学【11】シャットネラ赤潮と漁業被害および被害軽減対策」

全国水産試験場長会 会長賞
土橋 靖史・辻 将治「マハタの種苗量産技術の開発」

コラム
魚影逍遥−魚に発信機をつけて ふれあい(三田村 啓理)
山から海へ−水と命の回廊をめぐる 海するさぁ(洲澤 育範)
海でひろった万華鏡 熱中症の予防には(飯島 明子)

189号(2010年8月号)

特集 ワシントン条約と水産資源

「海洋と生物」2月号において,宝石サンゴを中心として人間が利用する生物とワシントン条約との関わりを問うた。今年3月には CITES CoP15 が開催され,日本の食卓にのぼるクロマグロが話題になり,近年類をみないほどの報道でにぎわった。しかし,野生生物の保護に関するワシントン条約で水産資源が扱われるということをどうとらえればよいのだろうか,またクロマグロのほかにはどうのような水産資源がこの条約で注目されているのだろうか。今年開催された CoP15 の展開を知るとともに,人間が生物を保護することと利用することについて,もういちど考え直してみよう。

岩崎 望 「ワシントン条約と水産資源」特集によせて
石井 信夫 第 15 回ワシントン条約締約国会議 − 主に陸生動物に関する審議結果について
金子 与止男 ワシントン条約と水産生物
魚住 雄二 CITES クロマグロ騒動ふたたび
中野 秀樹 ワシントン条約とサメ掲載提案
高橋 そよ ワシントン条約と水産資源の保全 − チョウザメ目の取引規制を事例に
ワシントン条約と水産資源 座談会
連載
林 健一 日本産エビ類の分類と生態【171】エビジャコ上科・エビジャコ科−トゲイワエビ属
横浜 康継 海藻という植物【18】海藻の養殖 その4
今井 一郎 有害有毒赤潮の生物学【10】シャットネラの捕食生物
[コラム]海底耕耘による赤潮防除の可能性
布村 昇・下村 通誉 日本産等脚目甲殻類の分類【4】ヘラムシ亜目トガリヘラムシ科2 ヤリボヘラムシ属

全国水産試験場長会 会長賞
若野 真 広島新ブランドカキ“一粒カキ”の技術開発と現場への技術移転

コラム
魚影逍遥−魚に発信機をつけて 魚市場でひとめ惚れ(三田村 啓理)
山から海へ−水と命の回廊をめぐる 7 月 15 日・山口県西部地方を襲った洪水(洲澤 育範)
釣師がであったモノたち コロンビア・ビタ川のパヴォンとピラニア(新家 邦紹)
海でひろった万華鏡 「全国干潟調査」小笠原の巻(2)(飯島 明子)

188号(2010年6月号)

特集 モード水研究 その最前線と将来展望

表層海洋における特徴的な水塊である「モード水」は,世界の大洋に存在している。これらのモード水は海洋物理学的に重要であるばかりでなく,日々の気象や長期の気候変動にも大きな影響を及ぼしている。さらに海洋基礎生産や,ひいては水産資源など,海洋生態系の維持とその変動にも重要な役割を担っている。北太平洋に焦点をあてた本特集から,モード水研究の歴史やその重要性と,最新の研究の概要を広く知っていただきたい。

花輪 公雄「モード水研究の現状とその重要性」
岡 英太郎「北太平洋のモード水」
谷本 陽一「北太平洋亜熱帯モード水海域と大気」
須賀 利雄「亜熱帯モード水と一次生産」
安田 一郎・伊藤 幸彦・西川 悠「北太平洋亜熱帯モード水海域とマイワシ」
伊藤 進一「北太平洋のモード水と水産資源」

連載
林 健一「日本産エビ類の分類と生態【170】 エビジャコ上科・エビジャコ科−エビジャコ属3」
横浜 康継「海藻という植物【17】 海藻の養殖 その3」
布村 昇・下村 通誉「日本産等脚目甲殻類の分類【3】 ヘラムシ亜目概説とトガリヘラムシ科1」
今井 一郎「有害有毒赤潮の生物学【9】 シャットネラ赤潮の発生機構/[コラム]シャットネラの分類をめぐる新しい動向」

コラム
魚影逍遥−魚に発信機をつけて フィヨルドの手術(三田村 啓理)
山から海へ−水と命の回廊をめぐる ふるさとの海を緑に「鉄炭団子」(洲澤 育範)
海でひろった万華鏡 「全国干潟調査」小笠原の巻(1)(飯島 明子)
釣師がであったモノたち 「コロンビア・ビタ川のカワイルカ」(新家 邦紹)

187号(2010年4月号)

特集 深海熱水噴出域の生物多様性

近年,日本の排他的経済水域内では海底熱水鉱床の資源開発プロジェクトが進んでいる。開発にともない,環境影響評価ならびに環境保全の取り組みも同時に行われている。環境保全に向けた取り組みでは,近年の生物多様性保全の法制化や保全に対する国際的な関心の高まりを受け,熱水噴出域とその周辺の生物種,遺伝子および生態系の多様性について理解し,それらを保全・再生するための検討が行われている。本特集では,このような取り組みを背景として,生物と熱水噴出環境のかかわりや熱水生態系の食物連鎖と物質循環に関するこれまでの知見を紹介するとともに,鉱床開発にともなう潜在的な生物への影響や保全すべき熱水生態系の機能について考察する。

豊原 哲彦 「深海熱水噴出域の生物多様性」特集によせて
和辻 智郎 熱水噴出域への適応と共生細菌
井上 広滋・小糸 智子 熱水噴出域への適応機構をアミノ酸輸送体から探る
大越 健嗣 熱水噴出域に生息する二枚貝類の元素蓄積と貝殻形成
山中 寿朗 堆積層に覆われた海底熱水系の化学合成生物群集と海底面下に広がる熱水流体−熱水噴出孔下生物圏と熱水−堆積層相互作用による有機物の変質
山本 啓之・Dhugal J. Lindsay・砂村 倫成 海底下からの熱水プルームを通じた海洋への影響
渡部 裕美 深海熱水噴出域固有動物群の生物多様性の指標

連載
横浜 康継 海藻という植物【16】 海藻の養殖 その2
下村 通誉・布村 昇 日本産等脚目甲殻類の分類【2】
今井 一郎 有害有毒赤潮の生物学【8】 シャットネラ赤潮の発生環境:播磨灘を例として

コラム
魚影逍遥−魚に発信機をつけて 言えなかった寿司事情(三田村 啓理)
山から海へ−水と命の回廊をめぐる バイダルカと国際常民文化研究機構(洲澤 育範)
海でひろった万華鏡 「やっちまった」こと(飯島 明子)

186号(2010年2月号)

特集 宝石サンゴとワシントン条約

装飾品として数多く市場にでまわっているサンゴ。これに使われるいわゆる宝石サンゴとよばれる仲間は,造礁サンゴとは亜綱のレベルでグルプが異なる。温暖化など環境の悪化による造礁サンゴの危機はよく聞くが,宝石サンゴはその目的から乱獲による枯渇が心配されている生物である。絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約,いわゆるワシントン条約はこういった絶滅の危機にある生物の取り引きに関する条約で,多くの価値ある野生生物が指定されているが,海洋生物を広く対象とすることはまだ始まったばかりであるといえよう。
本特集ではこの宝石サンゴを代表として,海洋生物におけるワシントン条約の現状や問題点などをみていこう。

秋道 智彌 海洋生物資源は誰のものか
諸貫 秀樹 海洋生物資源の持続可能な利用に向けて−CITES 問題に関連して
赤嶺 淳 ワシントン条約における海産物−タツノオトシゴとナマコのエコ・ポリティクス
岩崎 望 宝石サンゴとワシントン条約
高橋 そよ 東アジアにおける宝石サンゴの国際取引と資源管理
中西 三紀 宝石サンゴと地域経済
長谷川 浩・岩崎 望 宝石サンゴ資源の指標としての微量元素の利用

連載
林 健一 日本産エビ類の分類と生態【169】 エビジャコ上科・エビジャコ科−エビジャコ属 2
横浜 康継 海藻という植物【15】 藻の養殖 その1
グリゴーリー・イヴァノヴィチ・ガラジー,長縄 秀俊 「バイカル湖学」入門【10】 プランクトン(1)
今井 一郎 有害有毒赤潮の生物学【7】 シャットネラ赤潮の発生予知
[新連載]下村 通誉・布村 昇 有日本産等脚目甲殻類の分類【1】

コラム
山から海へ−水と命の回廊をめぐる 瀬戸内カヤック横断隊・祝島へ(洲澤 育範)
魚影逍遥−魚に発信機をつけて チリンチリン(三田村 啓理)
海で拾った万華鏡 海を感じる時(飯島 明子)

定期購読のご案内

トップに戻る