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161号(2005年12月号)

特集「黒潮圏の自然と人間の共存・共生−2」

黒潮の影響を受けているすべての地域を指す「黒潮圏」。この「黒潮の恵み」を受けている事象や生物にはおのおの密接なつながりがある。黒潮の影響を受ける地域の資源・環境・社会・経済・医学・健康等を,自然科学・人文社会科学・医学の面から学際的に研究をすることは,「持続可能な自然と人間社会の共存・共生系の確立」にほかならない。これら「共存・共生系」,「相互作用」について,2号にわたり様々な面から解説をしていただいた。

峯 一朗「海藻類の生活史における生物相互作用」
関田 諭子「渦鞭毛藻類の細胞外被」
深見 公雄「サンゴ礁生態系の物質循環において微生物はどのような役割を果たしているか」
新保 輝幸・諸岡 慶昇・飯國 芳明「森のコモンズ・海のコモンズ(2)」
大谷 和弘「有機化学屋がみた海の世界」
久保田 賢「「共生」という概念で現代の「食」問題を考える」
蒲生 啓司「海水中の微量有機成分を探る」
足立 真佐雄「微細藻類の共生進化」
吉尾 寛「17世紀から19世紀の台湾の地方史料にみえる海流と‘黒潮’の呼称」
加藤 秀弘「土佐の鯨溜まり」
一井 太郎「海洋における高次捕食者と餌生物の食う・食われる・食われまいの相互関係 −オキアミ類をめぐる最近の話題」
田口 尚弘「ヒト,サル,寄生虫の染色体研究」

連載

林 健一 日本産エビ類の分類と生態【144】テナガエビ科・カクレエビ亜科−ワライヤドリエビ属,ニホンカクレエビ属,ムカシスポンジエビ属,スポンジエビ属
川嶋 昭二 日本産コンブ類の分類と分布【92】コンブ科−アナメ属(2)−アナメ(2)
佐々木 克之 内湾および干潟における物質循環と生物生産【40】瀬戸内海漁業1.愛媛県漁業(その1)
関口 秀夫 イセエビの生活史【112】個体群の形成,維持および更新(35)

コラム
海で拾った万華鏡−滑っても転んでも (飯島 明子)

総目次
第27巻 総目次

160号(2005年10月号)

特集「黒潮圏の自然と人間の共存・共生−1」

黒潮の影響を受けているすべての地域を指す「黒潮圏」。この「黒潮の恵み」を受けている事象や生物にはおのおの密接なつながりがある。黒潮の影響を受ける地域の資源・環境・社会・経済・医学・健康等を,自然科学・人文社会科学・医学の面から学際的に研究をすることは,「持続可能な自然と人間社会の共存・共生系の確立」にほかならない。これら「共存・共生系」,「相互作用」について,2号にわたり様々な面から解説をしていただいた。

深見 公雄「黒潮圏の生物相互作用−持続可能な自然と人間社会の共存・共生系の確立を目指して」
高橋 正征「持続性社会を支える海の資源の利用−濃縮地下資源から身のまわりの薄い資源の利用への切り替え」
山岡 耕作「マダイとチダイの稚魚期における共存機構−なわばり形成を中心に」
奥田 一雄・関田 諭子「セルロースをつくる生きもの」
大嶋 俊一郎「マリンビルナウイルスの培養細胞における感染機構」
田中 壮太「熱帯の傾斜地における農業の現状と展望−マレーシア・サラワク州のイバン人を例に」
千葉 修「土佐湾の海上と陸域・山岳域にまたがる大気層の構造」
飯國 芳明・諸岡 慶昇・新保 輝幸「森のコモンズ・海のコモンズ(1)」
富永 明「免疫における分子認識と海洋生物資源による免疫制御作用」
平岡 雅規・浦 吉徳・原口 展子「土佐湾沿岸における水温上昇と藻場の変化」
原田 哲夫「生物の体内時計とその生態学的意義」
杉谷 隆「都市と農村との共存・共生 地理学の視点から」
荻 慎一郎「黒潮圏土佐の地域性 近世土佐への異国船漂着」

連載

林 健一 日本産エビ類の分類と生態【143】テナガエビ科・カクレエビ亜科−カイカクレエビ属・キネナシヤドリエビ属・キサンゴカクレエビ属
島本 信夫 マダイの生物学【11】資源の変動要因
関口 秀夫 イセエビの生活史【111】個体群の形成,維持および更新(34)

コラム
海で拾った万華鏡−なぜフィールドワーカーはよく食べるのか? (飯島 明子)

159号(2005年8月号)

特集「沿岸生態系を調べる多様な視点」

人間の活動が大きく影響を与える沿岸生態系における汚染の問題について,さまざまな視点からどのようなアプローチをしてゆけばよいか,実験室からフィールドに至るそれぞれの分野で行われている最新の方法について解説をしていただいた。今後の環境問題にむけて問題点をどのようにとらえてゆけばよいかのよい指標となろう。

高田 宜武・三枝 誠行 「沿岸生態系を調べる多様な視点」によせて
橋本 和正 遺伝子発現を用いた造礁サンゴの環境影響評価
曾根 恵海・西田 伸・小池 裕子海の保全遺伝学 ハクジラにおける MHC 遺伝子の多型解析
倉田 健悟・Karyne M. Rogers 干潟の食物網と汚染を調べる 安定同位体比と重金属濃度の利用
広木 幹也 酵素活性から見た干潟生態系の分解機能評価
横山 寿 ベントス群集に基づく魚類養殖許容量の推定
堀之内 正博 アマモ場の構造は稚魚の個体密度や分布パターンにどのような影響をおよぼすか
佐藤 慎一 内湾干拓に伴う貝類群集の変化 貝化石群集との比較
高田 宜武 サンゴ礁ベントス群集への多変量解析手法の適用

連載

林 健一 日本産エビ類の分類と生態【142】テナガエビ科・カクレエビ亜科−ホンカクレエビ属8 およびサビヤドリエビ属,ケンプテナガカクレエビ属,アカスジカクレエビ属
佐々木 克之 内湾および干潟における物質循環と生物生産【39】有明海漁業6.漁業再生方向
川嶋 昭二 日本産コンブ類の分類と分布【91】コンブ科−アナメ属(1)−アナメ(1)

コラム
海で拾った万華鏡−苦あってこそ楽あり (飯島 明子)

Research Article
朝倉 彰・渡部 元・太田 秀・橋本 惇 ヤドカリ類の分類学,最近の話題 ホンヤドカリ科その5
竹内 俊郎・樽井 史典 ビタミン A 関連物質:レチノイン酸によるヒラメの形態異常−1990 年代初頭から種苗生産の現場で多発したヒラメの骨異常と黒化 その理由が今明らかに!

158号(2005年6月号)

特集「瀬戸内海の漁業資源はどうなるのか?食物連鎖に起きた異変」

高度経済成長にともなって富栄養化が加速された時代,瀬戸内海の漁業は頻発する赤潮に喘いでいた。富栄養化を軽減するためにとられてきた COD やリンの削減は功を奏し,これらの流入負荷は大きく減少し,今日では貧栄養と思われる海域さえある。植物プランクトンは珪藻類からラフィド藻を経て渦鞭毛藻が優占するようになり,クラゲが爆発的に増えたり,今までとれなかった魚種が漁獲されるようになったことは瀬戸内海の生態系の構造が大きく変化したことを物語っているのであろう。本特集では低次から高次にわたる沿岸海洋生態系の段階の研究から,瀬戸内海の食物連鎖構造の変化や今後の研究の発展について解説いただいた。

山本 民次 瀬戸内海が経験した富栄養化と貧栄養化−フィールドは巨大な実験系
一見 和彦・多田 邦尚・門谷 茂 瀬戸内海の植物プランクトン量の過去と現在−堆積物試料からの推定
山本 圭吾 瀬戸内海における環境および動物プランクトンの変化−大阪湾の事例
湯浅 一郎 瀬戸内海における海岸小動物の長期変遷
鷲尾 圭司・島本 信夫・堀 豊・岡本 繁好・上田 隆敏 兵庫県における栄養環境の変化とノリ養殖漁業の盛衰
永井 達樹 瀬戸内海の魚類生産に変化はあったか?
川口 修・山本 民次 瀬戸内海の高次生産者の構造と生産性の変化は食物連鎖構造の変化から説明できるか?
<コラム>山本 民次・川口 修 「富栄養・貧栄養」と「富栄養化・貧栄養化」
<コラム>山本 民次 栄養塩制限について

連載

林 健一 日本産エビ類の分類と生態【141】テナガエビ科・カクレエビ亜科−ホンカクレエビ属7
佐々木 克之 内湾および干潟における物質循環と生物生産【38】有明海漁業5.アゲマキとサルボウ
関口 秀夫 イセエビ類の生活史【110】個体群の形成,維持および更新(33)
島本 信夫 マダイの生物学【10】 漁業と資源

コラム

海で拾った万華鏡−陸の季節と磯の季節 (飯島 明子)

書評

東京おさかな図鑑 メダカからクジラまで 西村 和久
ナメクジウオ 頭索動物の生物学 西方 敬人

157号(2005年4月号)

特集「海洋環境から見直す水産学」

水産学は資源という人間の利用を前提に実学として大きく発展してきた。一方で,海洋に対して自然の真理や変動の原因を明らかにしてきた功績も数知れない。しかし,今日「水産」という呼称が大学・研究機関で次々と整理され,姿を消しつつあるのが現状である。
そこで本特集では海洋環境をキーワードに,改めて水産学が果たす学問体系での役割を再検証するとともに,その問題点や課題について歴史を追って指摘し,今後の展望を分野ごとにまとめた。また「水産学とのかかわり」という題目でコラムを設けた。研究生活の裏側を含め,若い研究者や学生にいろいろな面で水産学を知っていただけるよう願っている。

時村 宗春・植松 一眞 本特集の概要
井上 喜洋 漁業の持続的開発を目指して 伝統漁法からの脱皮
山川 卓 研究と産業のはざまで資源の行方を考える
竹内 俊郎 養殖学が担う次世代の食糧生産に向けて 種苗生産と養殖技術の現状と将来展望
松田 治 水産業の多面的機能を生かした沿岸域の再編に向けて
田中 克 フィールドに学ぶマクロ生物学の魅力
鈴木 譲 魚類生理学研究のこれまでと,新たな応用への展開
中井 敏博 歴史から学ぶ魚病学の展望
<コラム>田中 克 漁師に学ぶフィールド科学の原点
<コラム>中井 敏博 徒花かナノファージ
<コラム>植松 一眞 人生と運命
<コラム>井上 喜洋 水産学との関わり
<コラム>山川 卓 大学における研究(雑感)
<コラム>松田 治 里海(さとうみ)
<コラム>松田 治 揺れに揺られてフィールドに学ぶ
<コラム>竹内 俊郎 水産学との出会い
<コラム>鈴木 譲 「FBI」

連載

林 健一 日本産エビ類の分類と生態【140】テナガエビ科・カクレエビ亜科−ホンカクレエビ属6
川嶋 昭二 日本産コンブ類の分類と分布【90】 コンブ科−スジメ属(2)−スジメ(2)
関口 秀夫 イセエビ類の生活史【109】個体群の形成,維持および更新(32)

コラム

海で拾った万華鏡−初めての磯調査 (飯島 明子)

156号(2005年2月号)

特集「四万十川流域を科学する-2」

高知県四万十川が,なぜ昨今これほど注目されているのか。その理由は本川の豊かさにある。四万十川の下流域から河口域にかけては,地域住民が伝統的かつ独特な漁法によって川漁専業で生計を立てており,自然と人が共生する環境を作り上げている。豊かさとは生物生産の包容力を持ち,かつ多様性に富んでいることである。さらに沿岸海域の生物生産を知るためには,上流域の森林の機能に始まり,河川流域を通して,沿岸域,さらには外洋水まで総合的に研究することが重要とされるが,これらの相互関連は,必ずしも科学的に明らかにされてないのが現状である。
四万十川は,森林から沿岸域までの流域をひとつの生態系として捉えることのできる残り少ない環境モデルである。本特集がその突破口の役割を果たせば幸いである。

平賀 洋之・山中 弘雄 四万十川中・下流域におけるミナミテナガエビおよびヒラテテナガエビの成長と繁殖
藤田 真二 沿岸魚類の大成育場 四万十川河口域
高橋 勇夫 四万十川のアユを支える河口域
内田 喜隆 四万十の怪魚アカメの生活史
布部 淳一 沿岸魚仔魚の海から四万十川河口域への進入様式
岩田 明久・細谷 誠一 ハゼ類の多様性からみた四万十川河口域
木下 泉・一藤 貞男 四万十の伝統漁法と生態系との関係

連載

林 健一 日本産エビ類の分類と生態【139】テナガエビ科・カクレエビ亜科−ホンカクレエビ属5
佐々木 克之 内湾および干潟における物質循環と生物生産【36】有明海漁業4.ノリ漁業
関口 秀夫 イセエビ類の生活史【108】個体群の形成,維持および更新(31)

コラム

海で拾った万華鏡−冬の夜磯2 (飯島 明子)

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