貧酸素水塊 現状と対策

山室 真澄・石飛 裕・中田 喜三郎・中村 由行:著
A5判/236頁/定価 本体2800円(税別)/ISBN978-4-915342-68-4


淡水域か海域であるかを問わず,日本の多くの閉鎖性水域で貧酸素水塊が発生している。 貧酸素水塊の大部分は人の活動による富栄養化に起因するが,地形的・水文学的な要因により貧酸素水塊が自然に生じている水域や,逆に人為的な改変がきっかけで解消した事例も存在する。
貧酸素水塊の弊害は多々あるが,もっとも顕著なものは水産生物への影響である。しかし,漁獲対象種によっては影響を受けないこともある。
本書はこのように多様な事例をもつ貧酸素水塊について,いつから,どのような原因で発生し,どのような被害が生じたのかを整理した初めての成書である。貧酸素水塊が形成されている日本各地での具体的な事例を紹介し,対策技術別の実施例や実施後の状況をまとめ,水環境に関心をもつ一般市民や環境系の専門家・学生だけでなく,自治体関係者・工学関係者・コンサルタント業界といった施策側に立つ者にも有 用な情報を提供することをめざした。
また,水環境改善にむけた新たな指標づくりの参考のために,人間活動の影響が少なかったころの1930年代の日本の湖沼の溶存酸素濃度・水深・水温・pHの一覧を巻末に掲載した。 (はじめにより抜粋・改変)
【主要目次】
● はじめに
● 第1章 貧酸素水塊形成の原因と弊害
1−1 貧酸素水塊形成の原因
1−1−1 流れと密度成層:1−1−2 水温/1−1−3 地形/1−1−4 有機物流入負荷の増加/1−1−5 栄養塩流入負荷の増加/1−1−6 水域内部での有機物負荷の増加/1−1−7 人為的な改変
1−2 貧酸素水塊による弊害:1−2−1 生物相の変化による弊害/1−2−2 化学成分の変化による弊害
参考文献
● 第2章 貧酸素水塊の現状
2−1 淡水湖沼・貯水池(ダム)・河川:2−1−1 ダム貯水池/2−1−2 諏訪湖/2−1−3 霞ヶ浦(西浦)/2−1−4 琵琶湖/2−1−5 長良川
2−2 汽水湖沼:2−2−1 サロマ湖/2−2−2 能取湖/2−2−3 浜名湖/2−2−4 湖山池/2−2−5 中海・宍道湖
2−3 内湾:2−3−1 大船渡湾/2−3−2 東京湾/2−3−3 三河湾/2−3−4 伊勢湾/2−3−5 英虞湾/2−3−6 大阪湾/2−3−7 燧灘/2−3−8 有明海/2−3−9 大村湾
参考文献
● 第3章 貧酸素水塊解消技術の事例
3−1 水平方向の流動操作:3−1−1 水路の開削による潮汐エネルギーの利用/3−1−2 導流堤の設置・防波堤の改良による潮汐エネルギーの利用/3−1−3 透過性防波堤による波エネルギーの利用/3−1−4 作澪など海底の改変による海水交換
3−2 鉛直方向の流動操作:3−2−1 曝気/3−2−2 水門(ゲート)操作
3−3 堆積物からの栄養塩溶出量の削減:3−3−1 浚渫/3−3−2 覆砂
3−4 対象水域周辺における浄化能力の促進:3−4−1 バイオマニピュレーション/3−4−2 漁獲による栄養物質の除去/3−4−3 干潟の造成
3−5 流入負荷の管理:3−5−1 流入負荷の削減と貧酸素水塊の縮減/3−5−2 法律による排出規制/3−5−3 水質が改善されない原因/3−5−4 負荷管理の現状/3−5−5 湖沼水質の改善例と負荷管理の方向
参考文献
● 第4章 貧酸素水塊問題解決への展望
4−1 地球温暖化と貧酸素水塊:4−1−1 日本の水域における地球温暖化の兆候/4−1−2 地球温暖化に伴う水面上昇による貧酸素化の加速/4−1−3 地球温暖化に伴う海面上昇による貧酸素化の加速
4−2 沿岸域の持続的な利用と貧酸素水塊:4−2−1 デンマークにおける貧酸素水塊解消に向けた取り組み/4−2−2 貧酸素水塊解消対策のプロセスに関わる課題
参考文献
● おわりに
● 付表
● 索引


<正誤表>(2013/4/24更新)
ページ数/位置
169ページ 図4-5内 メチルエチルケトンのグラフ CODのグレーバー → BODの斜線バー (位置も1つ上がる)










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