生態学入門 生態系を理解する

生態学入門

原口 昭:編著 橋床 泰之・上田 直子・河野 知謙:著

A5判/144ページ/定価 本体1,800円+税
ISBN4-915342-58-5

本書は生物学を専門としない理工系の学生や,文科系学生のための生態学のテキストです。
生態学のもっとも基礎的なもののなかから,生態学を初めて学ぶうえで必要な内容を精選し,また近年の環境問題にかかわる内容を含めた,生態学のエッセンス が凝集された一冊です。そしてまた実用的分野での活用を意識し,土壌や農林生態系など,近年とくに注目されている分野の記述を加えました。
環境分野で活躍する人々の基礎知識の充足のために,そして生態学の一般啓蒙書として,広くご活用下さい。
●目次●
第1章:生態系の科学
・生態系の成り立ち
・生態系の単位
・生態学は何に貢献するのか
・生態系の構成要素
第2章:個体群と種内関係
・個体群
・個体群の成長
・種内関係と密度効果
・最終収量一定の法則
・自己間引きと2分の3乗則
第3章:生物群集と種間関係(原口 昭・河野智謙)
・資源と生態的地位/
・種間競争
・捕食と被捕食の関係
・寄生
第4章:共生系による生態系の安定化(橋床泰之)
・古典的共生と最新の共生概念(a.古典的「共生」/b.相利共生と片利共生/c.土地と植生との「共生」)
・生態系における共生系(a.窒素供給に関するもの/b.リン酸供給に関するもの)/共生が生態系の安定化にはたす役割
第5章:生態系とエネルギー
・一次生産量
・光合成と植物の環境適応
・一次生産速度を決める環境要因
・生態系でのエネルギーの移動
・生態ピラミッド
第6章:生態系での物質循環
・物質循環の概念
・物質収支
・生態系への物質の流入プロセス
・生態系からの物質の流出プロセス
・水の循環
・炭素の循環
・窒素の循環
・イオウとリンの循環
第7章:生態系の種類と分布
・生態分布
・地球上の生態分布
・日本の生態分布
第8章:生態系の変化
・生態遷移
・生態系の維持機構
・土壌の生成
第9章:生物多様性と生態系の保全
・種内の多様性
・生物群集の多様性
・生物多様性の評価
・種数ー面積曲線の応用
・絶滅危惧生物
第10章:森林生態系
・森林の構造
・森林による有機物の生産と蓄積の機能
・森林の環境調節作用
・森林の生物多様性と遺伝資源保全の機能
・森林生態系の物質循環
・熱帯林生態系
第11章:陸水生態系
・湖沼の光環境
・湖沼の温度環境
・栄養塩回帰の季節性
・湖沼の富栄養化
第12章:海洋生態系
・潮間帯の生態系
・干潟の生態系
・内湾域の生態系
第13章:湿地生態系
・湿地の分類
・湿地の土壌環境
・泥炭地の成立
・湿生生物の特徴
・泥炭と地球環境
第14章:農林生態系
・農林生態系の物質循環
・富栄養化
・温室効果ガスの発生
・その他の環境問題
参考文献
索引
©SeibutsuKenkyusha Co., Ltd.