142号(2002年10月号)

特集「サメと人と」

日本近海におけるサメ類の話題は,海水浴シーズンになるとよく耳にする。サメには人間に被害を及ぼすようなものもいれば,そうでないものもいるのであろうが,その存在自体が脅威のニュースになり,漁業では漁獲に影響を与えることもある。その反面,薬や化粧品の分野では非常に優秀な成分をもつ原料として有用視されている。
我々の社会の中で「有害」「有用」といった全く異なる面を見せるサメ類について,最新の知見をまとめた。

矢野和成 日本周辺に生息するサメ類の種類,生態,人間との関係
白井 滋 日本周辺の多様な板鰓類とその進化(仮想「進化水族館」のミュージアムガイド)
田中 彰 板鰓類の繁殖
内田詮三 水族館のサメ類
山口敦子 日本のサメ資源とその生活史について
堀江 琢・田中 彰 サメ類と海洋汚染物質
矢野和成 サメの攻撃による人的被害と被害による社会現象

連載

 林 健一 日本産エビ類の分類と生態【125】テナガエビ科・カクレエビ亜科―イソバナカクレエビ属・ミネミズエビ属
 関口秀夫 イセエビ類の生活史【95】個体群の形成,維持および更新(18)
 田中次郎・神谷充伸 汽水産多細胞藻類の分類と形態【28】アヤギヌ類の種分化3

鯨類調査の新技術 【第13回】
 坂東武治 安定同位体比を用いた鯨類の生態研究

○〔新連載〕閉鎖性沿岸域の生態系と物質循環 【第1回】
 山室真澄 環境研究における普遍と個別

Research Article

朝倉 彰 ヤドカリ類の分類学,最近の話題 ― ホンヤドカリ科

147号(2003年8月号)

特集「南半球周航観測計画−南極系熱塩循環の変動にせまる−」

1990 年代に実施された高精度観測線に沿って,JAMSTEC の研究船「みらい」が南半球を一周し,新たなデータを加えるとともに,この 10 年間に生じた南極を中心とする熱塩循環の変動を明らかにしようとしている。観測期間(170 日),測点数(500 点)目標とする観測精度ともに,これまでに世界にも類を見ない大規模な観測計画である。本観測計画の意義および,その実現を支えるいくつかの測定技術を各論にまとめた。

深澤 理郎 南半球周航観測の意義
河野 健・青山 道夫・高槻 靖・松本 健寛・内田 裕・深澤 理郎 高精度塩分測定手法とデータ補正法について
青山 道夫 栄養塩測定標準物質とそれを使った世界一周航海−時空間変動を確実に見出すための努力−
内田 裕・深澤 理郎・河野 健・小澤 知史 高精度 CTD 観測データの品質管理技術
渡邉 修一・清家 隆義・宮下 朋子・紀本 英志 船上での安定した溶存酸素測定法
橋本 菊夫・古田 俊夫 海洋地球研究船「みらい」の特徴と観測ウインチ

連載

島本 信夫 マダイの生物学【5】初期生活史−3(消化吸収機構)
林 健一 日本産エビ類の分類と生態【130】テナガエビ科・カクレエビ亜科―リュウキュウウミシダエビ属・ミドリイシエビ属
田中 次郎 汽水産多細胞藻類の分類と形態【32】アオサ藻綱モツレチョウチン属(1)
関口 秀夫 イセエビ類の生活史【100】個体群の形成,維持および更新(23)

閉鎖性沿岸域の生態系と物質循環【第6回】
 上 真一 宍道湖−大橋川−中海汽水系の中型動物プランクトン群集の地理的・季節的変動とそれらの生態的役割

148号(2003年10月号)

特集「海洋の内部波」

海面に起こる波以外に,海の中には内部波と呼ばれる波がある。内部波は海底地形,気象や密度の違いなどによって生じ,漁場環境を左右する重要な要素としても注目を集めていた。近年は水産工学分野での利用や,外洋域で地球規模的に影響を及ぼすものとして,その解析に,新たな価値が見いだされつつある。
本特集では,日本周辺で見られるその影響や制限要因,また新たなエネルギー源としてとらえた内部波について,最新の研究を紹介したい。

松山 優治 海洋の内部波
阿保 勝之 内湾での内部波と養殖漁場環境
北出 裕二郎 沿岸域での内部波
丹羽 淑博 外洋の内部波とその海洋力学における役割
松野 健 東中国海大陸棚縁辺部付近における内部波
田中 祐志 内部波と浮遊生物の挙動
大竹 臣哉・奥野 充一 内部波と沿岸域工学
(コラム)松山 優治 内部ソリトン

連載

林 健一 日本産エビ類の分類と生態【131】テナガエビ科・カクレエビ亜科―カタトゲカクレエビ属・ホヤカクレエビ属
田中 次郎 汽水産多細胞藻類の分類と形態【33】アオサ藻綱モツレチョウチン属(2)
〔新連載〕喜多村 稔 クラゲ類の生物・生態学【1】
関口 秀夫 イセエビ類の生活史【101】個体群の形成,維持および更新(24)

閉鎖性沿岸域の生態系と物質循環【第7回】
 石飛 裕・平塚 純一・桑原 弘道・山室 真澄 異なる塩分濃度を有する富栄養化した隣接汽水湖における魚類相の比較

Research Article
長縄 秀俊・バンズラグチ ザガス 東アジアの大型鰓脚甲殻類:6.Galaziella 属の見直し
朝倉 彰 ヤドカリ類の分類学,最近の話題−ヤドカリ科その2

149号(2003年12月号)

特集「生物相からみた環境の変化」

海洋に比べ陸水域では外来種や環境問題など様々な問題がより深刻化している。移植・放流や管理対策が見直されるなかで,生物環境はいかにして変わってきたのか,それぞれの研究フィールドを軸に生息環境や生物相の特徴を中心に紹介し,現状と管理・対策について述べた。

丸山 隆 特集に向けて
加藤 憲司 多摩川水系および東京都内河川における自然環境と魚類生息状況の変遷
帰山 雅秀 サケによる地球生態系の生物多様性と物質循環に及ぼす影響
井口 恵一朗 アユの種苗放流と生物多様性のゆくえ
苅部 治紀 水面における移入生物と在来水生昆虫相への影響について
河口 洋一 水辺の植物が河川性魚類の生態に及ぼす影響
田子 泰彦 相次ぐ河川環境の激変で神通川のサクラマス漁業は満身創痍 !?
河合 典彦 大規模河川改修が淀川の水環境にもたらした功罪―淀川下流の城北ワンド群を中心に―
高村 典子 十和田湖で起きた生態系の変化と健全な湖沼生態系の維持管理について
(コラム)加藤 憲司 「春の小川」は東京の真ん中を流れていた

連載

林 健一 日本産エビ類の分類と生態【132】テナガエビ科・カクレエビ亜科―リュウキュウコハクエビ属・カイメンカクレエビ属
喜多村 稔 クラゲ類の生物・生態学【2】系統
関口 秀夫 イセエビ類の生活史【102】個体群の形成,維持および更新(25)

閉鎖性沿岸域の生態系と物質循環【第8回】
 山室 真澄・平塚 純一・石飛 裕 懸濁物食二枚貝ホトトギスガイが中海の水質に及ぼす影響

150号(2004年2月号)

特集「海洋・生物・環境 科学の展望」

「海洋と生物」は創刊25周年を迎えた。100号より特集形式とし,これまで50近いテーマを取り上げてきた。今号は過去の特集の中からテーマ別に過去から現在,未来に向けてのそれぞれの研究の発展や最近までに得られた成果,今後の問題点などをまとめて紹介する。

長澤 和也 族寄生虫学は市民権を得ることができるか −15 年間の歩みと展望
山田 陽巳 電子標識を用いたまぐろ類の行動追跡
馬場 敬 天然メタンハイドレート研究開発の進歩と現状
末次 貴志子 深海底生魚類の食性研究:その現状と問題点
沖野 輝夫 アオコ問題の変遷,現状とこれから
相生 啓子 アマモ場研究の変遷,現状とこれから

連載

林 健一 日本産エビ類の分類と生態【133】テナガエビ科・カクレエビ亜科―アヤトリカクレエビ属・ギヤマンカクレエビ属
喜多村 稔 クラゲ類の生物・生態学【3】食物網内でどのように位置付けられるか?
関口 秀夫 イセエビ類の生活史【103】個体群の形成,維持および更新(26)
島本 信夫 マダイの生物学 【7】 初期生活史−4(生き残り戦略)
田中 次郎 汽水産多細胞藻類の分類と形態 【34】 アオサ藻綱ネダシグサ属
閉鎖性沿岸域の生態系と物質循環【第9回】
 井上 徹教・山室 真澄  濾過食性二枚貝ホトトギスガイの呼吸及び懸濁物摂取速度

Research Article

朝倉 彰 ヤドカリ類の分類学、最近の話題ーオカヤドカリ科

以前の号については,現在製作中です。スミマセン。

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