AQUABIOLOGY

[Vol. 21Vol. 22Vol. 23]


AQUABIOLOGY VOLUME 21 (120〜125号)

No. 1No. 2No. 3No. 4No. 5No. 6


120号[No. 1] February, 1989

巻頭特集「光・栄養塩そして一次生産」
植物プランクトンの一次生産が海洋の生態系を支える一番の基盤となることは,よく知られている。だが,この分野の研究は今現在どのような方向性を持ち,どう理解されているのだろうか。 今回の特集は,1998 年7月 23 日に開催された Primary Production Workshop「Effects of Light and Nutrients on Primary Production」の講演内容を新たに書き下ろしていただいたものである。

連載

121号[No. 2] April, 1989

巻頭特集「20世紀の海洋学」
21世紀を迎える前に,20世紀の海洋学全般における総括をしておきたい。 各先生方の専門分野における,ここ100年前後の研究の歴史・発展を総括して説明していただき,現在までにわかっていること,わかっていないことは何かを21世紀に課題として明示しておきたく,この特集を企画した。

連載

122号[No. 3] June, 1989

巻頭特集「放射能と生物」
チェルノブイリ,南太平洋におけるフランスの核実験,ロシアの日本海での核廃棄物の投棄など,海洋環境あるいは放射性物質の影響が危惧されている。そこで,今回,生物および環境に対してどのような影響が生じているかを特集として企画した。

連載

123号[No. 4] August, 1989

巻頭特集「遺伝的多様性の利用と保全」
自然界では常に種の分化がおきており,現在我々がみている生物群は非常に多様である。 だが,今,人類は食糧確保のために,養殖や種苗生産という手段を従え,それを自然界に放っている。今後,これは自然界にどのような影響を与えていくのだろうか。そもそも,自然界ではどのように種の分化や交雑がおこり,種として確立してゆくのだろうか。

連載

124号[No. 5] October, 1989
1999年10月15日発行です

125号[No. 6] December, 1999

巻頭特集「甲殻類の系統と適応」
全ての生物種は祖先から継承した形質と,種分化してのち獲得した形質とを持ち合わせる。適応に関わるのは後者である。したがって系統的知見を基礎にすえ,形態・生理・繁殖・生態など諸分野の詳しい研究をすることにより初めて,様々な種の適応を把握することができる。高山から深海まであらゆる環境に生息する甲殻類は生物学的に注目される適応の事例に満ちている。しかし一般の人々に知られる機会はまだ少ない。本特集では,最新の分子系統的知見もおりまぜながら,様々な角度から甲殻類の適応様式を紹介する。

連載


AQUABIOLOGY VOLUME 22 (126〜131号)

No. 1No. 2No. 3No. 4No. 5No. 6

126号[No. 1] February, 2000

巻頭特集「病める生き物たち」
魚を食する我々にとって,魚病は大きな問題の一つである。魚病の発生は天然魚には見られることは少ないが,養殖魚では常に気をつけねばならないことである。養殖では過密によるストレスに加え,水中であるため病原菌が広がりやすく,予防や対策も困難で,一度病気が侵入するとその対処や治療は大変な作業である。そして,魚病を引き起こす原因となる病原体や,その治療された魚は人間の食生活にどのような形でかかわってくるのだろうか。また近年では魚の輸入増加に伴い,病気も輸入されることが多く,それらはどのような形で出現してきているのであろうか。

連載・記事


127号[No. 2] April, 2000

巻頭特集「海洋生物の大量発生」
赤潮などにみられるシャットネラなどの大量発生は,環境要因が大きく関与している。そしてこれが一度大発生すると周辺環境に生息する各種生物に大きな影響を与え,漁業生産をはじめとする弊害などが生じる。 この例にたとえるまでもなく,多様な生物間の一定の量的バランスが崩れることによる環境変化は,ひいては生息環境の激変を招くことになる。このような大量発生は異常なことなのであろうか。また,どんな生物群にも起こりうることなのであろうか。本特集では,動植物プランクトン,魚類,無脊椎動物などの大量発生のメカニズム,現状,対策などについて紹介するものである。

連載・記事

128号[No. 3] June, 2000

巻頭特集「海色リモートセンシングと海洋基礎生産力」
海色リモートセンシングは,衛星で測定された海色をもとに,基礎生産力を推定することができる。リモートセンシングの技術によって何がどこまで分かっており,それはこれからどのような方向に向かってゆくのだろうか。それぞれの海域で得られたデータから,海域によってどのような違いがあり,どのような事が分かっているのか,またこれから何を研究して行くべきなのであろうか。

連載・記事

巻頭特集「干潟は,いま」
諫早湾の大規模な埋め立ては衝動的であったが,依然として全国の数少ない干潟は存続の危機にさらされている。 干潟の持つ機能が自然に対して重要なことは論を持たないが,科学的にこの機能がどのようなもので,いかに存続させることが急を要するかを,具体的な事例を混ぜて解説したい。

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130号[No. 5] October, 2000

巻頭特集「水族寄生虫」
気持ち悪い生物の代表ともいえる寄生虫。しかし、彼らの生活を覗くと、私たちが曖昧に思い込んでいた寄生虫のイメージとまったく異なる世界がある。従来、水生動物の寄生虫研究といえば魚類の寄生虫研究を指したが、近年は水生昆虫から海産哺乳類までを含む幅広い水界動物を対象とする水族寄生虫学に発展してきている。本特集では、水族寄生虫の生態や生活環に加え、医学や水産学での研究情報を紹介する。

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131号[No. 6] December, 2000

巻頭特集「アマモ場」
海草藻場−いわゆるアマモ場は,生物の初期生産の場所として重要であると言われる。穏やかな内湾の砂地,時には外洋の岩場にもアマモの仲間は繁茂し,他の生物に豊富な生育場所を提供する。ところが,近年,沿岸域の開発と共に,アマモ場は消滅しつつある。今,どうしてアマモ場の重要性が問われているのか,アマモ場とそこを利用する多様な生物の相互関係を中心に,その大切さを考え直してみたい。

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AQUABIOLOGY VOLUME 23 (132〜137号)

No. 1No. 2No. 3No. 4No. 5No. 6

132号[No. 1] December, 2001

巻頭特集「微生物ラビリンチュラ」
「ラビリンチュラ」という生物が今,注目されている。その興味深い特徴は,脂肪酸蓄積,海草,海藻,貝などへの病原性,有機物分解能力や豊富な現存量が与える生態的意義,菌類のようでありながら系統的には褐藻や珪藻にちかいという系統進化・分類の位置づけなど多岐にわたる。この生物を材料としている研究者は日本国内に集中しているにもかかわらず,ラビリンチュラ類について総合的な解説がなされたことはほとんどなく,聞き慣れない生物名のままだ。本特集では,このラビリンチュラ類の基礎生物学と産業的利用について解説しよう。

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133号[No. 2] December, 2001

巻頭特集「ウナギ学2001」
私たちが食するウナギ,実はそのウナギには学問的に謎が多く,どこで産卵しているかについてもごく最近明らかにされたものである。 今回の特集では,興味深い謎の魚ウナギについての最新の知見をまとめて,紹介したい。

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